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「ステュディオス」な生活

「ステュディオス」=何かを面白がり、熱中することにより生き生きしている状態。 日々の「ステュディオス」を求めて…

災害に関わる「言い伝え」をマッピングしてみた

今日は大晦日。2016年も残りあと数時間。

振り返ると熊本地震、北海道の台風に鳥取地震、そして先日の糸魚川の大規模火災に、茨城での震度6弱と大きな災害が多かった一年だったように思う。

起こってしまった災害をなかったことにはできないが、そこから教訓や今後発生する災害の被害を減らすための知恵を得ることはできるはずと思う。

そのようなことは私でなくても考えていて、公開から少し時間が経ってしまっているようだが、消防庁が収集・整理した防災に関わる「言い伝え」 なる資料が 全国災害伝承情報:総務省消防庁 に公開されている。

そこには資料に添えて次のように記されている。

有史以来、全国で発生した災害は各地に多大な被害をもたらし、それらの災害の教訓は各地域において記録としてあるもの、図画として残されているもの、あるいは物語、ことわざとして伝承されているものなどがあります。  そのような災害にまつわる資料や情報は、これまで国として整理されず今日にいたっており、その多くが各地域に埋もれたままとなっています。  全国災害伝承情報は、そうした各地域に残る貴重な資料を、国として整理集約し、インターネットを活用し広く一般に公開することを目的としたもので、平成16年度から平成18年度にかけて都道府県や市町村などの協力をいただき、調査を通じて収集した情報を整理集約しました。  この情報を通じて、身近な地域に残されている災害に対する教訓を個々人に認識していただき、防災意識高揚に役立てていただくとともに、防災教育用の教材としての活用が図られることを期待しています。

防災に関わる「言い伝え」

防災に関わる「言い伝え」はなかなか興味深い資料で、全国の災害・防災に関する800弱もの言い伝えが一覧でまとめられている。 各言い伝えごとにそれが伝わる自治体名が記されているので地図上にマッピングしてみた。なお、統廃合により自治体が消滅しているものは引き継がれた現在の自治体にマッピングして旧名を併記している。

地図上の色の付いたエリアをクリックすると、その土地に伝わる言い伝えを右ペインに表示する。

防災に関わる「言い伝え」MAP

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地図化したデータを見てみると北海道、東北の日本海側と近畿地方で言い伝えが少ないのがわかる。これらの地域ではもともと言い伝えが少なかったのだろうかそれとも、伝承が途絶え収集できなかったのだろうか。近畿は長らく都があり、大勢暮らしていたはずなのに、どうして少ないのだろうか。 逆に伝承の多い地域は、古くから多くの災害に見舞われてきた結果、地域の知恵として言い伝えが受け継がれてきたということなのであろう。

個々の地域を見ていくと、言い伝えの内容からどのような災害に苦しんできたのかがわかる。水害に関する言い伝えが多い地域は水害に、地震に関する言い伝えが多ければ地震に苦しめられることが多かったのであろう。

栃木県には地名に関する言い伝えが多い。古い地名を見るとその土地でよく起こった災害がわかるようだ。災害の記憶をいまに伝える日本全国「あぶない地名」(週刊現代) | 現代ビジネス | 講談社(1/6)にも同じような記事がある。この記事にあるように安易に地名を変えてしまうのは良くないのではと思ってしまう。

言い伝えの類似性に目を向けると「地震が来たら竹やぶに逃げろ」に類する言い伝えは、全国的に多いのだなぁと気が付く。竹の根が地盤を強固にし地割れを防ぐことができると知られていたのであろう。

また、次のような言い伝えもある。

  • 地震のとき「マンダラッコ、マンダラッコ」と唱えるとよい。(神奈川県平塚市)
  • 地震のとき「マンザイロク、マンザイロク」といって、竹やぶに逃げる。(新潟県新潟市
  • 地震のときは「まんぜえろく」と唱える。(埼玉県毛呂山町

一説によると「まんぜいろく」とは「万歳禄」と書き、末永く神の恩恵を受けられますように、という祈願らしい。 同じような言葉が地域を超えて言い伝えられているのはなぜだろうか? 一見、つながりなさそうな地域で同じような言葉が言い伝えられているのも興味深い。昔は互いに交流があったのだろうか?

雑雑とした印象・感想を綴ったが、眺めていると色々発見がありそうな資料だ。